障害児の子育て|困りごとに本当に寄り添う地域の保護者支援について
「前例がないので…」この言葉を先日、市役所の障がい関係を扱う課の方に言われました。
私はひかとまめ(自閉症)の登校付き添いをしています。
前回、母親が子どもたちを支える、自分の子どもに対する寄り添い方について書きました。
支援を必要として、助けを求めている人に、支援を受けやすい世の中になってほしいと願う気持ちを書きました。
移動支援とは?
単独では外出困難な障害者(児)が、社会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動や社会参加のため、外
出時にヘルパーを派遣し、必要な移動の介助及び外出に伴って必要となる介護を提供するサービスです。引用:https://www.city.higashihiroshima.lg.jp/material/files/group/30/61343799.pdf
なぜ移動支援を申請するの?
この登校付き添いに関して、
・母親が腰痛もちでしんどい日がある
・子どもたちの力が強くなり混乱への対処が難しくなってきた
母親の体力面のこと、母親がそばにいることで、その甘えからくる混乱に、手助けがほしいと思い、移動支援というサービスを利用したいと思いました。
移動支援の実態
2013年時点で移動支援事業の中で通学を実
施している市町村が57.1%、その内、「特段の要件な
く認めている市町村」が9.0%、保護者の疾病・入院
等一時的に送迎が困難な場合等の「一定の要件のも
とに認めている市町村」が48.1%となっていた。一方、
通学支援を認めていない市町村は39.8%、移動支援
そのものを実施していない市町村は3.0%と、4割を
超える自治体で通学支援は得られない状況にあった。
その後、2016年3月にまとめられた「地域生活
支援事業における移動支援事業の実態調査」には、
2015年夏に実施したアンケート調査結果が記され
ている。その調査では通学支援を実施している市
町村は30.6%と厚労省の資料よりも低い結果になっ
ている。調査方法や回答数に違いがあるので一概
には比較できないが、通学支援が充実している状
況にあるとはとても言えない。
両方のデータで共通しているのが、通学支援を
実施している8割以上の市町村で「一定の要件を
課していること」で、あくまで緊急時、例外的な
対応という位置づけに留まっているといっていい。引用:https://www.zenkoku-ido.net/_action/tsugaku-tsukinPJ/movere32-p2-6.pdf
このように、「一定の要件を課していること」、緊急時、例外的な対応
について、市役所の方は、
・お母さんが付いているのに、なぜ支援が必要なのか
・母親が週に3日程度働いていて、フルタイムではない
ことを言われました。申請をお願いする電話で、
「家庭からの困りごとの書面と、学校側からの書面が必要です。しかし、書面がそろっても審査が通らないことがありますよ。」
と言われました。
母親の思い
私は傷つきました。
心も体も疲弊してきて、どうか助けてほしい、何か手はないかと電話したところ、そのような対応で、微塵も助けたいという気持ちが伝わってこなかったのです。
いろいろな制度を利用するには、線引きがあることが知っていますし、税金を使わせてもらうことも重々承知です。
毎日、支援が受けたいのではなく、例え週に1日でも30分の登校を付き添ってもらえたらと思ったのです。
フルタイムのお母さんは現在毎日使われていると、別の方からお聞きし、母親の働き方で支援の必要性が決まるのかな、前例がなかったら、私のような人は使わせてもらえないのか、と「支援を使わせてもらうハードルの高さ」と痛感しました。
さいごに
もし、審査が通れば前例ができ、これから支援を必要とする方に支援が受けやすくなると思い、どうにかして、その前例を作るという意味でも、ひかとまめが通学しやすくなってほしいという願いも込めて、お願いをしていきたいと思います。
今後、私のような思いをする人が少しでも減るように、支援の在り方について発信していきたいと思います。