【自閉症児】見る視点を変えて「原因」を知り事前準備をしていこう
楽しみにしていたことが、原因がわからず、それが叶えられなくなったということってありますか?
私は先日、息子が夜ごはんのメニューでリクエストした、春巻きを作ろうと、春巻きの皮を買いに行ったら、なんと1枚もおいてありませんでした。
こんなことは今まで一度もなく、慌てて店員さんに在庫を確認したところ、「本日は売り切れです」と言われてしまいました。
どうしてかがわかっていても、落胆する気持ちは拭えないのに、どうしてかがわからない事実は、受け止めるのに時間がかかりますよね。
双子長男ひかが、まさにこの体験をしました。
目に見えないことはなおさらわかりにくい
以前からバイクが大好きなひかは、バイクの音がすると窓からのぞきにいく様子が、家でよく見られます。
エンジン音が心地良いのか、歩いていてバイクとすれ違うと、くるくるとその場で回って大興奮の時があります。
最近は、通学班の集合場所近くで、バイクを押して車庫から出てくるお兄さんに会います。
いつも必ず道路に出てからエンジンをかけてくれるので、ひかはその場で立ち止まり、エンジン音を聞いて、バイクを見送ってからまた歩きだします
しかし、今日は、私たちが少し遅れ、車庫の前ではなく、走行中のバイクとすれ違いました。
毎日ぴったり同じ時間に同じ場所にいることは、かなり至難の業です。
特に怒る様子もなかったので、私は何も言わず歩いていると、いつもの車庫前で立ち止まりました。
車庫には車が停まっていて、いつもその奥からバイクが出てくるので、いつも通り出てくるものだと思って動けませんでした。
さっきすれ違ったので、私は出てこないことを知っていますが、ひかは気が付かなったのか、車庫から出てくるバイクがいつものバイクだと思っているのか、飼い主を待つワンちゃんのようにその場から動けませんでした。
そこまでこだわりが強くないのですが、このことは譲れなかったのか、「さっきバイクとすれ違ったね。また会えるといいね」と声をかけると、ランドセルを振り下ろし、帽子を投げ、マスクも投げての怒りが始まってしまいました。
事前準備が必要
この姿は想像しておらず、玄関を出るときに、「バイクが見られるかもしれないし、そうでないかもしれない」ということを、お知らせする必要があると、この状態を見て、知りました。
通学班が出発する時間には、間に合いませんでしたが、なんとか気持ちを立て直し、100メートルほど歩いたら、自分でランドセルを背負うことができ、帽子もかぶれました。
怒りが沸いてきたときの対処は?
どうしても許せないときが、誰しもあると思います。それを行動で表すのか、口頭で伝えられるのか、自分がそうなったときに方法を知っておくことが大事だと思うんです。
ひかの場合、自分の感情の爆発をランドセルを振り下ろし、帽子を投げという方法で伝えています。
ここを「ただの困った行動」と捉えるのはなく、「バイクが見たかったのに、なぜだかわからず見られなかったから投げている」と大人が見てあげることがまず必要です。
誰かを叩く蹴るや、人の迷惑になる行動はすぐに止めますが、それ以外は、
「怒りのバロメーターを知る」ために見守るときもあります。
そして、「イヤだった」「見たかった」「困ってる」の言葉をその状況に合わせて添えてあげることで、今のこの気持ちはそういう言葉で表現するんだと、何年かかけてわかってもらえると信じています。
まとめ
目に見えてわかってもそうでなくても、頭の中の「こうだろう」という予想と現実が違うこと、普段の生活でありますね。
まずはそばにいる大人が、この行動でこれだけの気持ちを表現しているんだと捉えることが大事かなと思います。
そして、本人には事前に伝える準備をして、少しでも予想の範囲が広がって、現実とのギャップが少ない状態になればいいなと思います。